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ヘビの恐ろしさは異常

ヘビの怖さは異常であります。

毒があるとかないとか以前に、あの四肢が無い細長のフォルム、にょろっとした動き、感情の無い目がもう無理。

もし家の中にでも現れようものなら、気絶するしかないかもしれん。

みなさんだって、インディ・ジョーンズの毒ヘビに埋め尽くされた部屋に閉じ込められるシーンで、気が狂いそうになったでしょう?

失われた聖櫃より

この圧倒的な恐怖心を克服するためには、敵を知るしかないのです。

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なぜ手足がないのか

まずは、ヤツらがどうやってあの忌まわしい形状に進化してきたのかから始めましょう。

とはいえ実際のところ、四肢を失う方向の進化(というか退化)は珍しいものではありません。

有名なのは、クジラとかイルカね。

彼らの尾びれ、あれは尻尾が進化したもの。

後ろ足はというと、ほんのちょっぴり申し訳程度に可愛い骨が体内に埋まっているだけです。

既に絶滅してしまいましたが、ニュージーランドの巨鳥モアは、完全に腕(翼)が退化し痕跡もなくなっています。

ヘビの中でも、ニシキヘビやボアは同じように足の痕跡を持っています。

↑蹴爪と呼ばれる大腿骨の痕跡。

このことから、ヘビも元々は四肢を持っていたトカゲ的な生物だったことが分かります。

実際、およそ1億2000万年前の、小さな四肢を持つヘビの化石も発見され、蛇足が実在したことを示しています。

想像図。手足があるだけで、若干親しみが湧く!

ただ結果論ではありますが、南極を除く全大陸にへびが生息していることを考えれば、四肢の退化はヘビを大いに繁栄させたことに間違いありません。

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ヘビのサイズ感

ヘビのサイズは大小さまざまですが、最小のヘビはバルバドススレッドスネークという種。

全長10cmというミミズくらいのサイズで、若干の可愛さがあります。

史上最大のヘビ

一方、史上最大のヘビはティタノボアという種。

6000万年前に生息していた超大蛇で、全長は最大で約15m、胴体の直径1m、その重量は1t超というバケモノです。

人間などオヤツくらいの感覚かもしれません。

実物大模型

ただ幸いなことに、このティタノボアはもう既に絶滅済 ε-(´∀`*)ホッ

なお、現生のヘビでの最大サイズはアフリカニシキヘビで、10mを超える個体は稀です。映画にもなった有名なアナコンダも、だいたい似たようなサイズ感。

それくらいであれば、なんとかアマレスが通用しそうな気もします。

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ヘビの毒

ヘビが持つもう一つの特徴は、

大きいヘビよりも、こちらの方が危険度は高いと言えます。

何しろ、この地球上で毎年270万人が毒蛇に噛まれ、13万人が亡くなっているのです。一命を取り留めても、手足の切断に繋がってしまうケースも少なくありません。梶原柳剛流クラスの危険度と言えます。

なお、こうした蛇咬被害はインドがダントツで多く、半分以上を占めています。

インドはこれが原因ではなかろうか

消化を助ける

ヘビの毒は、もともともは唾液に由来します。

ヘビのほっぺの内側には毒腺という毒を生成して貯めておく器官がありますが、これは人間でいえば唾液腺に相当します。

ヘビの毒にはタンパク質を分解する機能がある(唾液だから)ので、毒を打ち込まれた獲物は内側から分解されていくことになります。

基本丸呑みのヘビにとって、大きな獲物を消化吸収している時間は隙だらけです。

ここで敵に襲われたらお終い

なので、少しでも早く消化を終えるために、胃液と唾液(毒)をフル活用していくというのは非常に理にかなっとるわけです。

毒ヘビのなかまたち

せっかくなので、危険度の高い毒ヘビをいくつかご紹介しておきましょう。

積極的に攻撃してくる

アフリカ大陸のあちこちに生息しているグレーの毒ヘビ、ブラックマンバ

名前のブラックは、口の中の色から。

細身のシルエットですが、全長は最大で4.5mにも及びます。この長さは毒ヘビ界ではキングコブラに次いで2位。

その性格は凶暴で、わりと積極的に咬んでくる上に、毒も強力。

一咬みで100mgほどの神経毒を注入しますが、その量は10人殺してお釣りがくるレベル

なお、毒液はたっぷり1500mgも蓄えてあるので、12回くらい連続攻撃ができる計算になります。

さらに動きも素早く、その最高速度は時速20kmにも達します。平地なら人間(平均24km/h)の勝ちですが、薮の中で追われたらまず間違いなくブラックマンバの餌食になるでしょう。

同じように危険なのが、オーストラリア沿岸部に生息するタイパン

全長は4mと、ブラックマンバよりやや小ぶりですが、毒ヘビだから大きさはあんまり関係ありません。

毒の強さはブラックマンバを凌いでおり、噛まれるとほぼ1時間以内に死亡します。

血清が発見されるまでは致死率100%でしたが、現代でもやっぱり血清が間に合わなくて、限りなく100%に近い致死率を維持しています。

タイパンに襲われた死体にはだいたい複数箇所に咬み跡があることから、その攻撃的な性格がよく分かります。

何しろ毒がやばい

毒ヘビの中で最も強力な毒を持つ種は、ナイリクタイパンです。

色違いモンスター

上で出たタイパンの仲間で、同じくオーストラリアの内陸部に生息しています。

が、毒の強さはタイパンの比ではなく、一咬みで289人殺せるほどと言われています。

ただし、性格が臆病なおかげで、ナイリクタイパンから攻撃してくることはほぼ無いとされています。

その次に強い毒を持つのが、イースタンブラウンスネークという種。

こいつもオーストラリアの中央部に生息しています。オーストラリアやばい。

その毒は一咬みで58人いけますが、ナイリクタイパンと違ってわりと積極的に攻撃してくる気性の荒さを持ち、年平均で2〜3人のオーストラリアンが殺られているとか。

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ヘビのおかげ

ここまで、ヘビが進化してきた歴史、そしてその危険度について見てきました。

知れば知るほど、ヘビに対する恐怖心や嫌悪感が増してきますね!

実際、ライオンを怖いと思う気持ちとヘビを怖がる気持ちでは、感覚的にだいぶ怖さの質が違いますよね?

ヘビに対しては、「食べられちゃうかも😇」というだけではない、なんとも言えない恐怖感があります。

ある調査によると、およそ人類の30〜50%がヘビ恐怖症を持っていると言われています。

ヘビ恐怖症というのは、要するに過剰にヘビを怖がる症状。実物はおろか画像を見ただけで震え上がっちゃう感じの症状です。

恐怖症には色々な種類があります。高所恐怖症をはじめとして、虫、蜘蛛、飛行機、先端などなど。この中で、ヘビ恐怖症を持つ人はダントツの一位であります。

霊長類はヘビが嫌い

なぜ人間はそんなにもヘビが嫌いなのでしょうか。

ここに、ある一つの事実があります。

それは毒ヘビのいない地域の霊長類は視覚が劣っているということ。

ある学者はこの事実を受けて、ある時期まで霊長類にとって最凶の捕食者はヘビだったのでは、と推理しました。

すなわち、霊長類は天敵であるヘビを素早く見つけるために視覚野を発達させ、ひいては脳の肥大化に繋がっていったというわけ。

確かに、霊長類の大半は樹上生活をしていたわけで、大型の捕食獣がいない環境にいたわけです。その霊長類を脅かせるのは、木に登ってこれる危険な動物。

と言ったら、これはもうヘビしかありませんね。

こうした説を受けて、名古屋大学で興味深い研究が行われました。

それは、次のような画像を見せて、何の動物の画像かを当てさせるというもの。

ヘビ画像の場合、STEP8の時点で9割以上の人がヘビと看破しています。

一方、にゃんこの画像の場合、STEP8時点での正答率は7割。

自覚しているか否かに関わらず、脳の緊張感が段違いなのです。ヘビを見ている時とぬこを見ている時では。

名古屋大では他にも面白い実験をしていて、3歳児であっても、たくさんの写真の中からヘビの写真だけは素早く見つけ出せるなんてことも明らかになっています。

さらにカルフォルニア大学では、脳の視床枕という部位にヘビを見ると即座に反応する細胞があることを突き止めました。

視床枕というのは、哺乳類だけが持つ脳の部位で、視覚的な注意を促したり映像に素早く反応する機能を持っていると考えられています。

この視床枕は高等なサルになるほど大きく発達しているのですが、カリフォルニア大の実験では、サルの視床枕がヘビの画像を見た途端に強く反応し、他の画像ではあまり反応しないことを突き止めました。

これは本能

ここまで来ると、ヘビに対するえも言われぬ恐怖、これは本能であると言わざるを得ません。

危険な生き物はたくさんいますが、その中でも特にヘビに対しては、霊長類は本能から来る別格の恐怖心がプログラムされているというわけです。

世界にヘビの出てこない神話は無いと言われていますが、それも納得。

アダムとイブに林檎を食わせた奴

女媧

八岐大蛇

石にしちゃうおばさん

ケツァルコァトル

脱皮するから不死の象徴とか、形がペニスに似てるから豊穣の象徴とか、そういう表面的な話ではないのです。

本能に「ヘビ苦手」とインプットされているからこそ、人類に強烈なイメージを残したのです。

という風に納得してもやっぱり怖いので、逆に美しいヘビ画像で〆ますね。

おえっぷ…。

参考文献、サイト様
Pulvinar neurons reveal neurobiological evidence of past selection for rapid detection of snakes
ヘビが怖いのは生まれつきか?
霊長類の脳が大きいのはヘビのせい?
Top 10 Most Venomous Snakes
Wikipedia-“Snake detection theory”
グラップラー刃牙 34 (少年チャンピオン・コミックス)
喧嘩稼業(6) (ヤングマガジンコミックス)

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