せっかくなので、生命誕生の不思議についても触れてみたいと思います。
この問題は、奇跡としか言いようのないくらい、もうあり得ないくらい低い確率の出来事だったようですね。
曰く、猿が適当にタイプライターを打鍵して、シェイクスピアの戯曲が完成するくらいの確率だとか。
他にも、
みたいに表現されます。
細かい数字はよく分かりませんが、物凄く低い確率だというのは伝わってきますよね!
実際、ある識者によると「数学的見地から言うなら、確率が1/300,000以下なら0パーセントと解釈してよい」とのこと。
ある識者
しかし現実には、この地球上は生命で溢れています。起こり得ないことが起こっているわけです。
生命の定義
そもそも、生命とはなんぞやというところから始めましょう。
生命の根本を突き詰めて考えると、次の3つの機能に集約されます。
・代謝系を持つ。
・自分と外を区別する膜を持つ。
・自己複製できる。
代謝系
代謝系というとなんだか小難しい感じがしますが、要するに、脂肪を燃やしてエネルギーにしたり、タンパク質を筋肉に変えたりするようなシステムです。
このシステムは、種によって色々なパターンがあります。植物は光合成をするし、深海には硫化水素(人間には猛毒)を栄養にしている細菌もいます。
が、その違いはどうあれ、物質を分解してエネルギーを取り出すもしくはエネルギーを使って物質を合成して体の材料を作るという働きが、代謝です。
この機能がないことには、生命は自分を維持することはできません。大事。
膜
膜も大事。
A.T.フィールドと同じで、自己と外界を区別するためには、仕切りが欠かせません。
原始の生命は水の中で発生したと考えられていますが、膜が無ければ溶けて流れてしまいます。膜があるから個体として存在できるのです。
自己複製
地球の生命はDNAという細胞の設計図を持っています。それは、人間でも細菌でも一緒。
DNAに沿って身体の材料であるタンパク質が生成され、それが組み合わさって、複雑な構造が組み上がっていくのです。
そのプロセスは、実に神秘的なものです。
その細かい説明は、↓この動画に丸投げさせていただきます。
DNAが複製されていく過程が超分かりやすい!
何が大変なのか
ダーウィン以来、生命は生命のスープなどと呼ばれる、有機物たっぷりの池とか浅瀬みたいなところで発生したと、伝統的に考えられてきました。
原始の地球においては、まだ複雑な分子構造を持つ有機物は存在しませんでした。
しかし、有機物の材料は豊富にあり、それが長い時間をかけて徐々に結合して海に溶けて、生命のスープが出来上がったのです。
最初の難関
しかし、そのスープの中で実際に生命を誕生させようとすると、まず初めにタンパク質を作る難しさに直面します。
ボディビルダーが常飲していることからも分かるように、タンパク質は身体のもっとも根本的な材料に他なりません。
それは、単細胞生物であっても同じ。およそ地球上の全ての生命が持つ細胞は、全て例外なくタンパク質によって構成されています。
で、そのタンパク質の原料はアミノ酸という有機物です。
アミノ酸は500種類ほど存在していて、そのうちのだいたい20種類だけがタンパク質の原料となります。
そして、その20種類くらいのアミノ酸のうちの特定の種類のものが、100個以上も特定の配列で結合する事によって、ようやくタンパク質になるのです。
では、生命のスープの中にゆらゆら漂っているアミノ酸が、ランダムで結合する状況を想像してみましょう。
まず、500種類のアミノ酸から、重複を許して20種類を選び出す組み合わせの総数は、5.7×1035通り。
さらに、そうして選び出された20種類のアミノ酸を100個並べる順番のパターンは、1.2×10130通り。
この二つを合わせると、だいたい6.8×10165通り。
ちなみに、この世で最も数多く存在する分子は水素分子なわけですが、その数は全宇宙の分を全て足しても、たったの1080個。
ちょっと計算に自信がないので間違ってたら教えてもらいたいわけですが、とりあえずもう一度画像を貼りますね。
もうタンパク質がたまたま地球上で生成されたという事実。それだけでもう奇跡なのです。
更なる難関
とは言えまあ100歩譲って、なんとかタンパク質が地球に登場したとしますね。
しかし、それだけで生命がパッと生まれるわけではありません。
先に触れた、生命の3つの定義。これをなんとか満たすような形でタンパク質を組み合わせなくてはなりません。
生命が持つ3つの機能はどれが欠けても生命としての体をなさないように思えます。
代謝システムを持たないなら、それはモノと変わりありません。
自分を包む膜が無ければ、それは拡散して消えてしまいます。
また、もしそれが自己複製できなければ、1世代で消滅。存在した痕跡すら残りません。※管理人もです。
ということは、最低でもこの3つが同時に成立しなければ、生命は地球に誕生しなかった事になります。
ただでさえ複雑なものが、たまたま3つ機能を満たすような形で、せーので成立した。
まさに、「竜巻でボーイング」とか「プールで時計」レベルの奇跡。
その確率たるや、もはや計算で算出できるレベルのものではありません。
フレッド・ホイルという天文学者の試算によると、1 / 1040,000の確率らしいです。
こうして生命は生まれた??
いったんまとめましょう。
地球が生まれてから長い時間をかけて、有機物がたくさん溶けたスープのような海が生まれた。
そして、そのスープに含まれる有機物が、ものすごく低い確率を乗り越えて、タンパク質を生み出した。
さらに、そのタンパク質がたまたま組み合わさって、別の物質を取り込んでエネルギーに変換する仕組みと、自分と同じタンパク質の組み合わせを複製できる仕組みが生まれた。
その2つの機能が生まれた瞬間、膜がそれを覆った。
こんな偶然、自然に起こるなんてあり得ると思います!?(1 / 1040,000の確率)
そこになんらかの超常的な存在(神様か宇宙人)の干渉があったとしか考えられませんね!!!!
だが待ってほしい。
なーんていうのは、嘘ピョン。
こういう、誰かの意図で生命が発生したという考えは、インテリジェント・デザイン、ID説などと呼ばれています。
超低確率 → でも実際に起こった → 偶然とは思えない → 偶然じゃない → 神様(or宇宙人)の仕業だ!みたい思考回路ね。
そこには、なんかよく分からないから問題を先送りにしちゃおっと♪みたいな軽さがあります。
確かに超低確率なことが実際に起こったのならば、そういうオカルチックな方向に行きたくもなります。が、その前に別の可能性を考えるべきではないでしょうか。
別の可能性というのは何か?
そう、生命の発生はそこまで低確率じゃないという可能性です。
低確率じゃない → 実際に起こっただとすれば、実にシンプルではありませんか。
次回またこのブログに来てください。本物の生命誕生プロセスをお見せしますよ。
参考文献、サイト様
生命・DNAは宇宙からやって来た (5次元文庫マージナル)
範馬刃牙(17) (少年チャンピオン・コミックス)