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弱者とギャンブル

当たり前の話ですが、賭け事の胴元というのはとても儲かります。

客側はイチイチ勝ったの負けたのと騒いでいますが、胴元はそんなの相手にしていません。

確かに個別の事例で見れば、勝ち越している人もいるでしょう。しかし、胴元は一人一人の客と勝負しているという感覚は皆無。

「客全体」と勝負しているので、その試行回数は莫大なものになるわけで、ほぼ確率通りの結果、すなわち胴元の勝ちは、最初から約束されているのです。

そういった意味では、最初から勝負にすらなっていません。

なお、この負ける確率というのは、控除率で表すのが一般的です。

控除率とは、賭けた金額に対して胴元が持っていく金額の割合です。これは種目毎にだいたい決まっていて、有名なところだと、次のようになっています。

宝クジ 55%
toto 50%
日本の公営競技(競馬競輪など) 基本25%
海外の競馬 15%~24%
パチンコ・パチスロ 10~15%
カジノのスロットマシン 3%~15%
ルーレット 3~5%
バカラ 1~4%
ブラックジャック 1%

特に日本の公営ギャンブルのエゲツなさが目立ちますが、ギャンブル好きはこんな事は十分知った上で頑張っているのであり、まぁ個人の自由ではあります。

ここで重要なのは、ギャンブルの胴元は儲かるという事です。

カジノを経営する権利を得られたら、大金持ち間違いなしです。

しかし、その一方で、ギャンブルの持つ魅力は社会に害を及ぼすという一面もあります。世の中にギャンブルが蔓延すると、健全な労働で対価を稼ぐのがバカバカしくなってくるという理屈ですね。

他にも、トラブルに発展しやすかったり、破産するヤツが出てきたり、詐欺などの犯罪に発展したりと、確かにデメリットも多いわけです。

なので、およそあらゆる国々で、ギャンブルは規制されています。一部の国でのみ、カジノや競馬などに限定して、法律に基づき許可されています。そう簡単には胴元にはなれないのですね。

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アメリカのカジノ事情

アメリカという国は、比較的ギャンブルに対して寛容です。

カジノの扱いは州ごとに決められていますが、ほぼ半分の州が、一般のカジノ経営を認めています。

その先駆けは、ネバダ州。

1955年にカジノを法律で公認し、眠らない街ラスベガスは急速に発展していきました。

また、ニュージャージー州も1976年にカジノを合法化。アトランティックシティはラスベガスと並ぶカジノの都となっています。

そしてアメリカには、こうした一般的なカジノとは別に、インディアンが経営するインディアン・カジノというものがあります。

これは、独自の資源や収入に乏しかったインディアンにとって貴重な収入源。

「現代のバッファロー」とも言われています。

というか、インディアン・カジノはメチャクチャ儲かっており、白人側からはインディアンの逆襲なんて捉え方もされています。

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インディアン

アメリカの歴史は、未知の大陸を開拓してきた歴史と言えます。東海岸から西へ向かって、白人たちは大陸を征服していきました。

そこで避けられなかったのが、原住民であるインディアンとの衝突です。

インディアンにしてみれば、いきなり来て追い出されたのではたまりません。

そのため、白人とインディアンの間では、300年近くもの長きにわたり、血で血を洗うような戦争がありました。

インディアン側も果敢に戦いはしましたが、白人側の物量と近代兵器の前に打つ手は無く、「保留地」へと強制的に移住させられていきました。

この「保留地」は英語で”reservation”といいます。意味としては、「(白人が)インディアンの為にリザーブしてあげた土地」という感じ。当然、保留はいずれは解除するよ、という含みも持っています。

元々インディアン達が住んでいた土地を奪い、一部を保留地としてそこに押し込める。

新たに移民が増えてきたら、また別の場所に保留地を作り、そこへ強制移住させる。

保留地から金脈が見つかったら、インディアンを追い出して、また別の場所に強制移住させる。

こういう事を、白人は圧倒的な武力を背景に行ってきました。

その代わりとして、一応、保留地の中の自治は認められており、形としては独立国家のような形になっています。

色付きが保留地

しかし、保留地のほとんどは、不毛の地

開拓する価値のない余り物の土地なのです。保留地に押し込められたインディアンは、貧しい暮らしを余儀なくされていました。

そんな中、数あるインディアン部族の一つ、セミノール族が、いよいよ貧困に追い詰められ、フロリダ州の保留地で高賭率のビンゴ場を開設します。

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セミノール族のビンゴ場

ビンゴ場のビンゴとは、結婚式の二次会とかでよくやるあのビンゴです。

ビンゴカードを購入して、列が揃ったら賞金が出るというルールで、アメリカではけっこうメジャーな賭け事。おばさんを中心に、今でも広く楽しまれています。

けっこう楽しそうでしょ?

フロリダ州では、1979年に非営利のチャリティー的なビンゴ場の設置が合法化されていました。

ただ、「非営利のみ」の合法化ですので、その賭け率には規制があり、あまりに射幸性が高いものはNGでした。

しかし、セミノール族は「ビンゴ場の設置が合法化された」という所にだけ目をつけました。つまり、掛け率に関する規制を無視したわけですね。

この判断の背景には、「保留地における自治を認めてられている」という歴史的な経緯がありました。

保留地というのは実質的には独立国家であり、州の規制に従う必要は無いという判断だったわけです。

フロリダ州は即座にこれを潰そうと訴えますが、なんと最高裁でインディアン側が勝利。これを皮切りに、全米のインディアンは一斉にビンゴ場経営に乗り出します。

カリフォルニア州やニューヨーク州でも同様に裁判になったものの、やはり「独立国家」という扱いが盾となり、インディアン側が勝利しました。

こうした状況を受け、アメリカ連邦議会は、1988年に「インディアンゲーミング規制法」を制定します。

この法律は、

といったルールを明確にするもの。

カジノが禁止されていない州の保留地であれば、比較的簡単にカジノを設置出来るようになりました。

この法律が制定された背景には、保留地内でもあんまり好き勝手されては困るという事と、貧しいインディアンの保護自立支援という側面がありました。

そしてもっと根底にあったのは、インディアンへの罪滅ぼしの意識。
元を辿れば、インディアンから土地や富を奪ってきたのはアメリカ人自身でしたので、当然かもしれません。

こうして、1992年には、コネチカット州のピクォート族が「フォックスウッズ・カジノ・リゾート」をオープンします。

これは、ゴルフ場やホール、レストラン等を含む一大エンターテイメント施設で、大成功を収めました。

foxwoods casino resort

さらに、ダコタ族が「ミスティック・レイク・カジノ」を開き、こちらも大成功。

mistic lake casino

ピクォート族やダコタ族の成功を目の当たりにした他の部族も、自分たちの不安定な収入や将来性を考慮してギャンブル事業に乗り出します。

なお、現在アメリカにインディアンが運営するカジノは377ヶ所。年間総収入は約1兆6500億円に達しています。

ちなみに、最初の高掛率ビンゴ場を開いたセミノール族は、2006年にはハードロックカフェを1120億円で買収したりもしています。

これが高いのか安いのかはよく分かりませんが、インディアンの景気はいいみたい。

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インディアン・カジノを巡るトラブル

とはいえ、インディアン・カジノも実際には順風満帆とは言えない面もあります。

1990年代から、いくつかの州で、インディアン・カジノに不利な状況も出て来ています。

例えば、テキサス州では1996年に、政府の認可を得てオープンしたインディアン・カジノを違法であると提訴しています。

さらに、2009年にはテキサス州でのカジノ賭博を禁止し、インディアン・カジノを絶対に認めようとしない姿勢を見せています。

なお、白人が経営する客船を改造したカジノは、今も元気にテキサスで営業中です。さすがは南部。人種差別的な要素もありそうです。

そもそも、カジノを認めない州の理屈は「ギャンブルは教育、道徳的に許されない」というものですが、インディアン側からすると、「お前が言うな」なわけです。

この辺りの溝は当分埋まらないでしょう。

また、自前のカジノを持たない部族を白人企業家が煽り、振り回した結果、結局カジノ建設に失敗するなどして、インディアンが大損するなどの悲しい事態も起きています。決して美味しい話ばかりでもないようです。

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アレを連想しちゃう

こうしたインディアン・カジノの経緯と現在の隆盛やトラブルを見ると、やはり日本におけるパチンコ業界を連想する方も多いのではないでしょうか。

一説によるとパチンコ店経営者の8~9割が在日なんて話もあります。

インディアン・カジノの場合は、
・法の抜け道(保留地における自治権)
・白人側の罪滅ぼし(社会的弱者の保護と自立支援)
このあたりが成立にあたっての大きな要因になっているわけですが、果たしてパチンコの場合はどうなのでしょうか。

次回はこの話題で。

というわけで前回のつづきです。 パチンコに対するスタンスは、 「普通に楽しんでるよ」 「違法賭博はぶっ潰せ!」(違法じゃな...
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