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ミイラになる為のコツまとめ

前回、数百万年後まで自分の生きた証を残す方法をご紹介しました。

化石になる為のコツまとめ

でも、「そんな先の事なんてどうでもいいなあ」なんて思う方もいらっしゃるでしょう。未来人がいるかどうかだって分からないですしね。

そうなると、やはりミイラ的なものを目指すのが、通常の思考の流れとなります。

しかし、ミイラになる事は、自分の価値を高めるという観点において、果たしてどの程度有効なのでしょうか。

※ミイラ画像がたくさんあります。苦手な方は閲覧注意!

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目標

自分が生きた証を残すこと
それが我々の目標です。

例えば、自分のひいおじいちゃんがどんな人物だったのか。何をやった人物なのか。知っている方はそう多くはないでしょう。

普通に生き、普通に亡くなったならば、その人の記憶は100年もしないうちに、歴史の渦の中に埋もれていってしまいます。

ましてや、もし子孫を残さなかったとしたならば…、埋もれるのは一瞬かもしれません。

ということで、さっそくミイラになるという選択肢について考えていきましょう。

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人に処置してもらう

一口にミイラと言っても、その種類はいくつかあります。
まずは、一番メジャーな、人為的に加工してもらうタイプから。

古代エジプトの場合

①脳みそ、内臓を取り出す。

②遺体と内臓を乾燥させる。

③乾燥させる。

④形を整える。

⑤包帯でグルグル巻きに。

もっと詳しく知りたい方は、こちら

こうして出来たミイラは、見た目がかなりアレですが、軽く数千年の時を超えます。

黄金のマスクで有名なツタンカーメン

「偉大なる大王」と呼ばれたラムセス2世

アンデス文明の場合

ミイラを制作する風習は、南米にもあります。今でいうチリのあたりには、紀元前7000年頃にチンチョーロ文化というものが栄えていました。

チンチョーロ人は、紀元前5000年頃からミイラ作りが行うようになり、かなり古いミイラがいくつも発見されています。

その作り方は、次の通り。

①脳みそ、内臓を取り出す。

②肉も骨から剥がす。

③骨を洗い、補強する。

④粘土で肉を形作る。

世界最古のミイラ。7000年以上昔の幼児。

アンデス文明においては、身分の高低に関わらずミイラにされる事が多かったようです。

チンチョーロ文化以降、製法も進み、初期の泥人形型から、内臓を取り出し体を塩やハーブで防腐処理するといった製法に変わっていったようです。

瞳の残った珍しいミイラ

アンデス文明の人々にとって、ミイラは家族。ミイラを普通に住居に置き、あたかもミイラが生きているかのように話しかけ、食事を供していました。こうして、亡くなった近親者への愛情と尊崇の念を示し続けたのです。

王族のミイラともなると、驚くべき事に、性生活までお世話してもらっていたとか。

そういえば、南米エクアドルで、女性を誘拐してミイラと○○○させる輩がいる、という意味不明なニュースがありました。

http://a.excite.co.jp/News/odd/20140217/sum_Tocana_201402_post_3669.html

アステカ文明のミイラ文化を知ると、この話も少し納得できます。

即身仏

真如海上人

即身仏は、仏教の修行の一つ。要は、生きながらミイラになるという超過酷な苦行です。

即身仏になる僧侶は、木の皮や木の実を食べることによって命をつなぎ、経を読んだり瞑想をします。そうする事により、まず最も腐敗しやすい脂肪が燃焼され、次に筋肉が糖として消費され、皮下脂肪が落ちていき水分も少なくなります。

また、修行に入る前に漆の茶を飲んで嘔吐し、体の水分を減らすとともに、内臓の細菌の働きを抑えていました。

こうして、生きている間にミイラの状態に体を近づけます。

これは、死を前提にする修行なので、かなりの気合が必要です。途中で断念したケースも多数あります。また、死後腐敗してミイラになれなかったものも少なくありません。

ミイラになれるかなれないかは、上記の下準備と、遺体の置かれた環境、そして関係者に裏切られること無く掘り出されるかにも左右されます。

日本には、二十数体の即身仏が現存しているとされ、いくつかは一般公開もされています。

また、公開はされていませんが、高野山の奥の院には、空海の即身仏があるとも言われています。
空海の姿を見ることが出来るのは、維那(ゆいな)と呼ばれる僧侶のみ。彼らが代々空海の身の回りのお世話をしています。なんだかアステカと似てます。

世界で一番美しいミイラ

世界で一番美しいミイラとして話題になったこの少女。名前はロザリア・ロンバルド。1920年に、わずか2歳で亡くなりました。

深い悲しみを受け入れることの出来なかった両親は、娘の遺体を防腐処置して保存する事を選びました。

依頼した技師の腕が良かったため、死後90年以上経っても、まるで眠っているように、生前の姿を保っています。

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自然になる

さて、上のタイプは、意図して体を保存したものですが、たまたまミイラになっちゃう場合も当然あります。

楼蘭の美女


このミイラは、BC1900年頃に40歳で亡くなり、埋葬された女性です。

楼蘭とはタクラマカン砂漠にかつて存在した国。その遺跡から彼女は発掘されました。たいへん乾燥した地域のため、体の腐敗が起こらず、そのままミイラ化したもので、内臓もまつ毛もそのまま残っています。

美女という割に黒ずんだ顔ですが、発掘された時は驚きの白さでした。

発見時の様子

他にも、タクラマカン砂漠では、保存状態がすごくいいミイラがたくさん発掘されています。

身長198cmのハンサム。DNA検査によると、白人とモンゴル人のハーフ。

インカの少女

インカ帝国は、アンデス文明の系譜の最後の国です。普通にミイラを作る文化があったわけですが、ここではもう一つ、生け贄の風習がありました。

500年前の少女。かなり生々しい

この少女のミイラは、標高6730mの山の中、「インディオの石壁」と呼ばれる囲いの中から発見されました。

インディオの石壁

少女は生け贄の儀式でここに連れて来られ、そのまま置き去りにされて凍死したと考えられています。

極寒の地で保存された遺体は、非常に良好な保存状態で、胃の内容物の分析やDNAの採取等も行われています。

死への恐怖心を紛らわす為にコカインを使用した痕跡が髪の毛から見つかる等、当時の儀式の様子を窺い知れる貴重な資料ともなっています。

他にも、インカ・ペルー辺りからは大量のミイラが見つかっています。高所の為、気候的に乾燥・寒冷のため、普通に埋葬しても、ミイラになりやすいのです。

ボグ・ボディ(湿地遺体)

炭泥に埋れて死蝋化した死体。炭泥とはその名の通り、泥状の炭。可燃性の土で、北欧では燃料として今でも普通に使われています。


1930年、泥炭を採掘に来たデンマークのトーロンに住む兄弟が、泥の中に遺体が埋まっているのを発見しました。

その埋まっていた死体はあまりにも新しく見えた為、最初は殺人事件の被害者ではないかと思われました。

顔立ちがハッキリ分かる

後の考古学者の調査により、この遺体は鉄器時代(紀元前400年頃)の40代男性と判明し、発見された場所にちなみトーロンマンと名付けられました。

首に縄が巻かれている事から、絞殺されたものと推測されますが、罪人なのか、はたまた儀式の生贄なのか、詳細は未だ不明です。

全身がハッキリ保存されていた為、指紋も採取されました。世界最古の指紋記録です。

なお、空気に触れたトーロンマンは、一気に乾燥して朽ちてしまい、今は頭部以外はレプリカになっています。

泥炭は各地に存在しており、古い遺体が数百体以上発見されています。



アイスマン

アルプス山脈を歩いていた観光客が発見した氷漬けのミイラ。青銅器時代(紀元前3300年頃)の47歳男性と言われています。


肩に矢が刺さって弱った所に、頭部へ強烈な打撃を受けて死亡しています。発見場所が殺害現場なのか、埋葬場所なのかは不明です。
胃の中からは、小麦、ヤギの脂身、ハーブ、煤が検出されました。煤が発見された事から、アイスマンはパンを食べていた可能性があります。

また、アイスマンは腰痛持ちである事が分かっていますが、彼の刺青の位置は腰痛に効くツボの位置です。この事から、既に医療技術がかなり発達していた事が窺えます。

このように、保存状態のよいミイラからは、様々な当時の文化、生活を知ることができます。

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偉人たち

ミイラというのとはちょっと違うかもしれませんが、遺体が保存されている偉人もいます。

レーニンソビエト連邦

毛沢東中華人民共和国

ホー・チ・ミンベトナム民主共和国

遺体が安置されているホー・チ・ミン廟は撮影厳禁らしく、画像がない…

面白いのは、この三人がいずれも共産国家の指導者という点。共産主義は「宗教は民衆のアヘンである」と断じていたクセに、ちゃっかり遺体を崇拝の対象にしちゃってます。ホントに唯物論なら遺体はただの肉なんですがね…。

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あなたはどのミイラ?

さて、これまで様々な類いのミイラを見てきました。我々が選べる選択肢は、自然にミイラになっちゃうパターンです。

エジプト的ミイラにしてもらうのは、
・かなりのグロ作業
・協力者が死体遺棄罪または死体損壊等罪に問われる可能性がある
・下手をすると、早い段階で発見されて、「東京足立区でミイラ化した変死体が発見されました。」みたいな一行ニュースで済まされてしまう
ので無理です。

即身仏になるのも、根性が足りないから多分無理です。

レーニン達のようにエンバーミングしてもらうのは、共産党指導者じゃないから無理。

やはり、泥炭に静かに埋もれるか、雪山でゆっくりと凍るのが現実的なところでしょう。

ただし、一つ注意を。

化石と比べると、ミイラは比較的簡単になれちゃうので、ライバルが非常に多いです。エジプトとアステカだけで、軽く万を超える数のミイラが発見されています。そのため、ただ漠然とミイラになっても、その他大勢のミイラでしかないわけです。

これは我々の望む未来ではありません。

ここに挙げた事例の多くは、
・記録の少ない時代のもの
・死因にミステリーがある
・その人物自体が偉大
といったある種の希少性があります。

この希少性は物語性とかバックボーンと言い換えてもいいかもしれません。

例えば、我々が雪山でうまくミイラになれたとしても、同じようにエベレストに眠っているジョージ・マロリーの遺体程の価値は、きっとありません。

ジョージ・マロリーの遺体。「そこに山があるから」と言った人。

化石になるか、ミイラになるか。選択はあなたの自由です。しかし、もしミイラを選ぶのであれば、是非、今を一生懸命生き、何かを成し遂げて下さい。

そうすれば、きっと豊かな人生を送れる上に、ミイラになった後も人々から尊重される存在になれることでしょう。

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