食事はとても魅力的な娯楽であり、同時に生命維持の為に必要な栄養摂取行為でもあります。
さらに、宗教、立地条件、動植物の生息数、気候、他地域との交流。
こういった要素が相互に刺激し合い、地域独自の食材、調理方法、マナーなどが形作られ、奥深い食文化となっていきました。
動物を食べるのなんて当たり前
我々日本人からすると、「えっ」となる動物でも、世界では普通に食べられたりしてます。
というか、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類でいえば、食用になってないものを探す方が大変かもしれません。
ゾウ
今はどちらかと言うと個体数保護の方向ですが、原始時代は貴重な食糧。たくさんの肉がとれるので、一匹狩れれば、集落の皆が幸せになりました。
今でもアフリカの一部やタイでは食べられています。
鼻と足の肉はなかなかの味のようですね。
キリン
古くは、古代イタリアのポンペイで食用になっていた記録があります。
今でも、アフリカの自然公園などでは個体数調整を兼ねて、食べられているようです。味は馬肉系らしい。
コアラ
オーストラリアに生息するオッサンのような動物。
主食がユーカリの葉の為、コアラの肉もユーカリの風味がして激マズ。現地に住むアボリジニー達も相手にしていなかった模様。
ライオン
2013年3月、アメリカのイリノイ州で、ライオン肉の取り扱いを禁止する法案が出されました。
アメリカで取り扱いがあったという事実に驚きます。
味はコンビーフっぽい感じでさほど美味しくないようです。
ヒトデ
デカい。
塩茹でして中の卵を食べます。
味はちょっと苦い薄味のウニとの事。日本でも熊本あたりで食べられています。
バロット
密葬課長
ある意味半熟卵。アヒルの卵です。
普通の卵と比べて濃厚な味とパリパリとした食感が特徴。普通に美味で、東南アジア、中国では広く食べられています。
なお、虫も、イモムシ、セミ、バッタ、カブトムシなどなど、広く食べられています。栄養満点ですし、キチンと調理すれば味もGOOD!
でも見た目グロいので今回は割愛します。
というか、いわゆるゲテモノ料理など、単に馴染みがあるかないかの違い。人類の食に対する熱意に限界はありません。
無機物を食べる人々
「異食症」という病気があります。
症状の度合いにもよりますが、「無性にたべたくなる」の度合いは半端じゃありません。
軽い症状なら、皆さんの周りにもいらっしゃるしょう。例えば、爪を食べる人、唇の皮を食べる人、ヒゲを抜いて食べる人、氷をやたらと食べる人など…。
しかし、深刻な異食症ともなると、普通なら食べられないようなものが食べたくて仕方なくなります。
スポンジ系
皿洗い用スポンジ4000個を食べた猛者
20年でソファ7脚分を完食
石鹸系
普通に食べてるのが凄い
こちらは洗剤
石
石を食べた日は調子がいいらしい
道端がフルコースに見えるとの事
ガソリン
毎日チビチビ呑み続け、かれこれ42年
これらの人々の多くは、消化器系に深刻なダメージを受けていますが、それでも食べたいという欲求は抑えきれないようです。
そもそも、異食症は何気に古代ギリシャの医聖ヒポクラテスの記録にも残っているとか。現代でもかなりの数の患者がいると推定されていますが、当人に恥ずかしさがあり、周囲に隠す傾向があるようです。
発症の原因もハッキリとはしていませんし、そもそも全ての異食症が同じ疾患なのかもハッキリしていません。
例えば、鉄欠乏性の貧血は、氷や土の異食症を引き起こす事があります。
鉄分が不足すると、酸素を運ぶ血液中のヘモグロビンが作られなくなり、その結果、満腹中枢や体温調節に障害がおきる
かららしいです。
また、亜鉛や鉄分が不足しがちな妊婦が土を食べる例は古くから知られています。タンザニアでは、若い女性が土を食べると、妊娠の兆候として喜ばれます。
その他、極度のストレス、精神疾患、脳腫瘍に伴う脳へのダメージなどが、異食症の原因として考えられています。
そういうわけで、治療法はまだ確立されていません。今はまだ、精神科の領域のようです。
しかし、ひどいケースでは命を落とす事もあります。
この車輪のようなものは、よ~く見ると釘、ネジ、安全ピン、髪留めピン、ボタン、コショウの蓋などです。全部でなんと1,446品目。
当然の如く胃が破れて大量出血。手術の甲斐無くこの患者は亡くなってしまいました。
一見コミカルな異食症ですが、恐ろしい末路を迎える可能性もある、危険な病気です。
土を食べる文化
と思って色々調べていたら、なんと、土を食べる事に限って言えば、食文化として世界中に存在していました。
土の網焼き【ベトナム】
ベトナムのおもてなし料理
土のクッキー【ハイチ】
土のスープ【フランス】
五反田にあるヌキテパというフランス料理店で、土のフルコースが食べられるらしい
これらは、異食症とは全く異なる、異食文化とも言えるものです。
いやはや、人間の食に対する情熱は、本当に素晴らしいですね。