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使用済み核燃料の処分方法ェ……

2014-04-14-08-01-16

「原発ゼロ」転換決定 エネ基本計画、重要電源と明記政府は11日、国のエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画を閣議決定した。

原子力を「重要なベースロード電源」と位置づけて再評価したのが最大の特徴だ。

民主党政権が2012年に打ち出した原発稼働ゼロの方針を転換したが、電源全体に占める比率は示さなかった。太陽光など再生可能エネルギーを最大限、推進する姿勢を強調した。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1100H_R10C14A4MM0000/より引用

原子力発電については、賛成派反対派それぞれの意見が活発に交わされています。

そういった中、今回政府が閣議決定したエネルギー基本計画は、当面は原発を動かす事を決めたと同時に、将来的どうするかはとても曖昧です。

要するに、
とりあえず電気足りないから原発を動かすけど、このままいくとかなりヤバいから、なるべく他の発電方法を推進するぞ!
という訳ですね。

たしかに原発ゼロ!よりは、はるかに現実的な方針のような気がします。

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処分方法の問題

では、何がヤバいかというと、
使用済み核燃料を安全に処分出来ない
という点に尽きます。

福一での東電の度重なる不手際やナメた対応等で、怒りを覚えた方は多いと思います。

しかし、これは、物凄く頭には来ますが、実は大した話ではありません。

所詮は単なるヒューマンエラーであり、組織や体制の再構築で解決される問題です(これも簡単ではありませんが)。

使用済み核燃料は、再処理施設に持っていかれ、そこでまだ使えるプルトニウムやウランを取り出されます。

そうして残ったものが「高レベル放射性廃棄物』なのですが、これを無害化する方法は現在の科学にはなく、数万年放置しておく他ありません。

とりあえず発電所内のプールに保管されてる使用済み核燃料

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地層処分

これまで、この放射性廃棄物の処分については世界中で様々な検討がなされて来ましたが、今は『地層処分』という方法が取られています。

これは、放射性廃棄物を深い深い場所に埋めると言うものです。
放射性廃棄物の放射能を消すには、時間の経過を待つしかありませんので、人に影響が無いところにしまっておこうという発想です。

単純な発想ですが、他の案にしても、「海に捨てる」「宇宙に捨てる」くらいしか無いので、地層処分がベターというのが国際的な共通認識です。

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各国の地層処分場

アメリカ - WIPPWaste Isolation Pilot Plant

ニューメキシコ州にあるアメリカで最初の地層処分施設。

深度:地下655m
地層:厚さ1000mの岩塩層
管理期間:1万年
閉鎖予定:西暦2070年

ドイツ-アッセⅡSchacht Asse II

昔の岩塩坑道を流用した処分場。

閉鎖までに、低レベル廃棄物ドラム125787本、ウラン・プルトニウムを含む中レベル廃棄物容器200リットル分が搬入されている。

20世紀末から地下水浸出とその放射能汚染、岩塩ドーム崩落が危惧されており2008年時点で一日11.8立方メートルの地下水が流入しており、地下構造物の強度の劣化も観測されており、安定化遮蔽作業が継続されている。

深度:地下750m
地層:岩塩層
管理期間:10万年
閉鎖予定:1995年閉鎖済

ドイツ - モルスレーベン処分場Morsleben

Schacht Asse II同様、昔の岩塩坑道を流用したもので、閉鎖までに中・低レベル放射性廃棄物総量36,753立方メートルが搬入された。

こちらも地下水浸出、岩塩ドーム崩落が危惧されている。

岩塩ドーム崩壊などの防止の為の施設の安定化遮蔽作業はコンクリート流し込み等の安定化遮蔽作業が行われている。その費用は22億ユーロと見積もられている。

深度:地下630m
地層:岩塩層
管理期間:10万年
閉鎖予定:1998年閉鎖済

ドイツ - コンラッド処分場Schacht Konrad

閉鎖された鉄鉱石の坑道を改装した処分場。中・低レベル放射性廃棄物総量30,300立方メートルの容量を持つ。

稼働開始時期が、2013年→2019年→2021年とドンドン延期されている。

深度:地下800~1300m
地層:堆積岩
管理期間:10万年
閉鎖予定:2040年

フィンランド - オンカロ廃棄物貯蔵施設Onkalo waste repository

2004年に工事を開始している、世界初の高レベル放射性廃棄物処理場。

花崗岩に囲まれた地下520メートルの場所に100年分の廃棄物の保管を可能にする施設で、2020年に操業を開始する予定である。

深度:地下520m
地層:花崗岩
管理期間:10万年
閉鎖予定:2120年閉鎖


このように、各国とも、放射性廃棄物の処分に苦慮していますが、なんとかかんとか地層処分の場所を確保しようとしています。

日本も例外ではありませんが、候補地の目処すら立っていません。
まあ、受け入れを表明した市長さんは確実に次の選挙で落選しますから、残当ですが。

実際の所、福島原発付近に放射性廃棄物置き場を作るのが一番いい気がしますが、これを口に出すのはかなり勇気が要りますね…。

合理的に考えれば、他に無いと思うのですが。

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