今年の2月、アメリカオクラホマ州の道路で、輸送中のトレーラーからパンケーキ用のシロップが大量に漏れ、8キロに渡って道路がベタベタになるというニュースがありました。
アリさん大勝利のこの事件ですが、他にもこういった”もったいない”事件はあるのでしょうか。調べてみました。
スコッチウイスキー大量流出事件
昨年2月のことになりますが、ウイスキーの有名ブランド「シーバスリーガル」社の工場で、清掃作業員によって1万8000リットルものスコッチウイスキーが下水に流されるという事件がありました。
なんでも清掃用洗剤とウイスキーを間違えたそうで、日本円にして約8500万円分のお酒を排水として流してしまいました。なんてことを・・・。
被害額に会社が頭を抱えたのは当然ですが、地元水道当局にもこってり絞られたそうです。
ホノルル糖蜜流出災害
「糖蜜」とは、わかりやすく言うと、製糖前のさとうきびを絞った液体のこと。また、発酵させてアルコールの原料となることもあるそうです。
そんな糖蜜がパイプラインから漏れてハワイの美しい海に流れ出てしまったこの事件。
付近の海は茶色く濁り、魚やカニが大量に窒息死してしまったそうです。
潮流に流れて現在は元の海に戻ってるそうですが・・・いずれにしろ環境への影響が懸念されますね。
と、ここまではまだ笑い話で済むかもしれません。
しかし糖蜜というと、一度聞いたら忘れられないあの事件が思い起こされます。
ボストン糖蜜大洪水
100年ほど前のこと。
ボストンの湾岸地域にある巨大な糖蜜貯槽タンク(高さ15m、胴回り70m)が突然崩壊しました。
この崩壊によって暴走した糖蜜は高さ数メートルの津波となり、時速60キロで街に襲い掛かります。
隣接する鉄道の高架を破壊し列車を押し流したかと思えば、近隣の建物も次々と破壊し、瓦礫混じりの甘い糖蜜によって近隣の街が飲み込まれてしまいました。
この津波により21人が窒息等で死亡、150人が負傷しました。また救出に向かおうにも重く粘り気のある糖蜜の中を進むのは困難で、作業も難航しました。
街から糖蜜を洗い流す作業は6か月以上もかかり、半年経った後もボストン内港の海面は茶色く濁っていたそうです。
いやはや、凄まじい災害です。原因は諸説あり不明ですが、ずさんな管理が重なった人的災害と言われています。
この事故はもはやボストンの伝説となり、夏の暑い日などには今でも甘い匂いがするとかしないとか。ボストンに行かれることがあったら是非確認してみてください。
ボストンと言えばかの有名な「ボストン茶会事件(1773年)」時も海に捨てられた大量の紅茶のおかげで「魚から紅茶の味がする」と言われたそうな。
ボストン港をティーポットにする
またこれと似た災害で、ビールの洪水という事件もあります。
ロンドンビール洪水
ロンドンビール洪水。
名前だけでもインパクト大ですが、この事件は200年前にさかのぼります。
当時ロンドン市街地にあったビール醸造所にて、135,000英ガロン(61万リットル)のビールを蓄えた大樽が突如破裂。ビールの激流となって流れ出しました。
その衝撃で他の大樽も次々とドミノ倒しに倒れ、その洪水が周囲の家屋を破壊。
隣接するバーでは壁が倒壊して10代の若い女性バーテンダーが圧死したばかりか、地下室に流れ込んだビールで幼児2人を含む7人が溺死してしまいました。
恐ろしい・・・。
翌日には急性アルコール中毒でさらに1人が亡くなり、合計9名の死者を出す惨事となったそうです。
笑い話では済まないこうした事件、いつなんどき私たちの身にも起きるかわかりません。
歓迎会シーズンのこの季節、ビールは飲みすぎだけでなく洪水にもご注意を。