チャック・ノリス・ファクトｗｗｗ

日本にも、イチローや羽生善治、室伏広治などの偉大な人物を讃える例のコピペがあります。
その元祖とも言えるのが、このチャック・ノリス・ファクトです。

チャック・ノリスという男

彼がどういう男か、この動画が端的に表しています。

このように、『チャック・ノリス』という存在は、「強さ」、「完璧さ」、「男らしさ」を意味する言葉として、世界中の人々に広く共有されています。

しかし、日本での知名度はさほど高いわけではありません。40代以上の男性で、チャック・ノリスを知らない方はいないでしょうが、若い方は名前を聞いたことがある程度かもしれません。

何れにせよ、「チャック・ノリス・ファクト」という概念を理解する為には、彼の英雄的な半生を振り返る必要があります。

以下、Wikipedia『チャック・ノリス』より抜粋

空手家チャック・ノリス

空手との出会い

幼い頃から正義感溢れる少年だったチャック。「悪いヤツと戦う」という素朴な夢を叶える為、警察官になる事を夢見ていました。

高校卒業後、警察官になる為の技能を習得する為に、チャックは空軍に入隊します。

入隊から1年が経った頃、チャックは韓国の烏山空軍基地へと送られます。軍隊生活において、余暇の過ごし方は、「酒を飲む」、「勉強する」、「格闘技を習う」くらいのもの。チャックは柔道だけは少しだけ習ったことがあったので、基地の柔道クラブに入会しました。将来警察官になった時に役に立つという期待もありました。

開花する才能

ある日、近所を散歩していたチャックは、奇妙な掛け声と共に飛び跳ねる集団を見つけます。それは、韓国式空手、タンスー道（テコンドーの前身）でした。
早速、チャックはその師範の元へ行き、弟子入りしました。

西洋人のチャックにとって、武道のストイックな修行は辛いものでした。しかし、チャックは「これに耐えられれば、何にでも耐えられる」と己を鼓舞し、修行を続けました。
そして、ついにタンスー道の黒帯を取得するまでになりました。

一つの事をやり切る事は、チャックに自信を与え、空軍でも優秀空軍隊員に選ばれるなど、彼の人生によい循環が生まれていきました。

空手指導者として

アメリカに帰国した後も、チャックは鍛錬を続けました。散歩中も、大きな木を見つけると、拳を数発打ち込む、蹴りを叩き込む。

ある日、そんな彼の姿を見た同僚が、ぜひ空手を教えてほしいとチャックに頼んできました。チャックは快諾し、空軍内に空手道場を開きました。

この道場の練習生が、体力テストで目覚ましい成功を納めたことにより、チャックの空軍内での評価は一気に高まりました。

チャックは全米から選りすぐりの兵士として、10週間に渡る特別戦闘訓練を受けることになりました。
一日8時間の訓練のうち、4時間はあらゆる状況下における戦闘を学ぶ、各エキスパートを講師とする座学で、もう4時間は柔道、空手、ナイフ戦闘、柔術等の格闘実習訓練に当てられました。

格闘技に精通していたチャックは、この選抜メンバーのなかでも優秀兵士に選ばれています。

空軍を除隊した後、チャックは警察官への道を模索したが、当時の警察官採用人数は極端に少なく、彼は採用されませんでした。

チャックは軍用機製造会社に務め、その傍ら、自宅の裏庭で空手道場を開きました。

空手道場は、当時のアメリカ人にとって物珍しさもあり、1年後には弟子は30人となり、3年後にはアシスタント講師を雇うまでになりました。

チャックは、自分に指導者としての資質がある事を実感し、より多くの練習生を集める為の宣伝として、全米各地の空手トーナメントに参加する事を決意します。

空手家チャック・ノリス

とはいえ、人生そう簡単にうまくいくものではありません。
最初に参加した大会では3回戦敗退、次の大会でも途中敗退してしまいます。

しかし、チャックは腐らず、自分の技に磨きをかけるべくさらに激しい鍛錬を積み重ね、1964年5月に行われたロサンゼルスでの大会で、ついに優勝を果たします。

以降、様々な大会で優勝を重ね、1967年の大会では軽量級～重量級まで全ての階級で優勝をするという偉業を達成。

この大会の帰り際、ブルース・リーに祝福されたことから、二人の間に親交が生まれます。

この時、チャック・ノリスは確かに最強の空手家でした。

俳優チャック・ノリス

ブルース・リーと親しくなったチャックは、少しずつ映画に関わるようになりました。

はじめはアクションシーンの振付、指導として参加していましたが、リーから強く依頼され、彼の映画に敵役として出演することとなりました。

その映画は、「ドラゴンへの道」。ブルース・リーとのコロッセオでの最終決戦は伝説となり、後世にも大きな影響を与えました。

この作品をきっかけに、チャックは本格的に俳優の道を歩んでいきます。

チャックは、投資家への交渉から広報活動まで自らの足で地道に活動を続け、徐々に売れてくると配給会社がつくようになり、そこから本格的なスターとしての道を歩み始めます。

1980年代に入ると、チャック主演の映画は軒並みヒットを重ねます。その作風は全て、いわゆる「B級」アクション映画。テレ東で放送されるようなタイプの映画ですね。

こういう感じの映画ね

これらの映画における主人公チャックの無敵っぷりは、日本人には、スティーブン・セガールの沈黙シリーズなんかのイメージが近いです。

これが、後のチャック・ノリス・ファクトの成立に繋がっていくのです。

チャック・ノリス・ファクトの成立

2005年頃、World of Warcraftというオンラインゲームのチャット上で、チャック・ノリスを題材にしたジョークが語られるようになります。

このジョークは瞬く間に若者の間に広がっていきます。インターネットを介してこのブームは爆発的な広がりを見せ、今や老若男女問わず浸透しており、21世紀を代表する大衆文化の一つとなりました。

この大流行が広告業界に見過ごされるはずはなく、様々な形でメディアに取り上げられていきます。

2008年の米大統領選挙では、支持率2%程度の泡沫候補の一人に過ぎなかった、マイク・ハッカビーが、「ハック・チャック・ファクト」と題したチャック・ノリス・ファクトのパロディCMを流し、敗れはしたものの、大健闘をしました。

ハッカビーの応援団長を務めたチャック

2009年10月には、チャック本人厳選によるオフィシャル・ファクトブックも発売され、好調な売れ行きを示しました。本人公認というのが、アメリカ人のノリの良さを示していますね。

2011年には、世界最大の一般消費財メーカーであるP&Gが、“ハック・チャック・ファクト”で用いられ全米で有名になった、チャック・ノリスによる次の決め台詞、

を商品パッケージや店頭ポップに採用しました。

さらに、同年にはチャック・ノリス・ファクトの発祥であるWorld of WarcraftのCMにも出演。

と、ノリノリです。

流行の要因

このチャック・ノリス・ファクトの大流行の最大の要因は、アメリカの民俗的伝統であるホラ話が背景にあると言われています。

トール・テールと呼ばれるアメリカの伝統的ホラ話。その源流は、19世紀頃の南西部の開拓民や猟師、河川の船乗りたちにあります。

辺境で孤独な生活を送っていた彼らは、部落の酒場や森のキャンプの焚火などに集まると、自分たちの強さや勇敢さ、頭の切れのよさをめぐって壮大なほら話を始めるようになります。

こうした習慣の中で、やがてはいくつかの決まった英雄的人物の話が語り継がれるようになりました。その一人が、巨人の木こり、「ポール・バニヤン」です。

カリフォルニアにあるポール・バニヤン像

豊かなヒゲと胸毛、そして優しい表情と屈強な身体。その全てがチャック・ノリスを彷彿とさせます。

チャック・ノリス・ファクトは、アメリカ人の持つ理想の「強さ」・「完璧さ」・「男らしさ」を表現するものです。

人々の根底に、このポール・バニヤンがあるのは間違いありません。

秀逸な「真実」

チャック・ノリス・ファクトの数は、今や100万を超えています。

ここで、そのうちのごくごく一部の「真実」をいくつか適当にご紹介します。

チャック・ノリスの反応

前述の通り、チャック・ノリスはチャック・ノリス・ファクトを知っており、自身の公式ウェブサイトで、「真実」の投稿、閲覧、採点が行われています。

また、チャック・ノリス・ファクトの公式グッズも販売されており、自分が気に入ったファクトをクリックすると、そのファクトがプリントされたオリジナルTシャツを購入することも可能です。

チャック・ノリスは、コラムの中でチャック・ノリス・ファクトについて次のように述べています。

素敵な笑顔