今日は、人類未踏の地、地上最後の秘境の呼び声高いギアナ高地についてです。
概要
ギアナ高地の中心部にあるカナイマ国立公園は、面積約3万平方キロメートル。(四国が1.8万平方キロメートルくらい)
一般には、オリノコ川とエセキボ川に囲まれた地域に点するテプイと呼ばれるテーブルマウンテンを指して使われる。
この、テーブルマウンテンとは、その名の通り、テーブル型の山。
これがギアナ高地に100以上存在しています。標高は最高3014m、下界と完全に断絶しており、自然や生態系も独特のもののようです。
自然
エンジェルフォール
最大のテプイであるアウヤンテプイ(標高2,560m)から流れ落ちる滝。
落差は世界最高の979m。
落差があまりにも大きいため、落下する水は滝下部に達するより前に中空に拡散してしまうため、滝壺が存在しない。空中に拡散した水は空気と絡み合い、滝下部は暴風雨のようになっている。
・アウヤンテプイ全景
このように、強烈なスケールですが、実はこの滝はツアーが組まれていて、行こうと思えば行けるようです。
行くのがめんどくさい方は、「Airpano.com」というサイトでパノラマ写真が公開されていますのでどうぞ。
サリサリニャーマの陥没穴
ベネズエラ国内で最も辺鄙な場所(最寄の道路から数十km離れている)の一つに位置するテプイ「サリサリニャーマ(標高1,350m)」には、ほぼ円形の陥没穴が先カンブリア時代の砂岩層中にいくつも(少なくとも八つ)生じており、地質学者にとっても生物学者にとっても謎めいた場所である。
最大の穴は直径、深さ共に 350 メートルほどあり、地表からほぼ垂直に落ち込んでいる。
断崖絶壁に囲まれた穴の底は、地表と同じく鬱蒼とした森だが、孤立した生態系があり、ここにしかいない動植物の固有種がみられる。
奇岩
ギアナ高地を形成している岩石は、主に20億年から14億年前の先カンブリア時代に堆積した砂岩や珪岩からなっているが、雨風に侵食され独特な形状となっている。
生物
ギアナ高地には100以上ものテプイがあり、鳥を除き、下界や別のテプイと行き来できる生物はいません。
従って、それぞれが外部とほぼ完全に断絶しており、独自の生態系を持っていると言われています。
また、現在の世界の大陸は、6億年前にゴンドワナ大陸がプレートテクトニクスで移動・分裂してできたと言われていますが、ギアナ高地の部分は大陸移動の回転軸に当たり、ほとんど位置が変わらなかったらしいです。
その為、気候も安定し、当時のままの自然環境、生態系が残っていると言われています。
オリオフリネラ【原始のカエル】
・水かきが無く、泳げない
・オタマジャクシではなく最初からカエルで生まれる(水が少ない環境の為)
・ジャンプ出来ない(天敵がいない)
透明なゴキブリ。
テプイの上は紫外線が強いため、このような進化をげた??
このように、魅力あふれるギアナ高地ですが、実はギアナ高地の生態系や自然を専門とする研究者はあまり多くないそうです。
何故かというと、なにしろ現地に行くまでがもの凄く大変なのです。
徒歩の場合、まず人里からテプイの麓に辿り着くまでに、自分の足とボートを駆使しながら難所を幾つも越えなければなりません。さらに、麓から登って頂上台地に立つまでにはロッククライミングで数日かかります。
ヘリコプターという手もありますが、今度は費用の問題もあります。
ただ、この状況故に、観光客などに荒らされる事もほぼ無いという事を考えると、このまま秘境として残しておくのも悪くないかなと考えてしまいます。